フィラリアとは、主にワンちゃんの心臓にすむ寄生虫のことです。正確には犬糸状虫といいます。成虫の見た目は、そうめんの様です。
犬糸状虫の幼虫(ミクロフィラリア)は、蚊がワンちゃんから吸血する際に蚊の唾液とともにワンちゃんの体内に入ります。
心臓と肺動脈に寄生し成虫となり、7年近く生存し、血液中にミクロフィラリア(子虫)を放出します。
成虫が心臓にたくさんいると、そうめんがつまったような状態になり、血液の循環が悪くなります。咳や呼吸困難、腹水、血尿、貧血などの症状が現れ、最悪の場合、死に至ります。
『うちは毎年フィラリアのお薬飲ませてるのに、また今年も検査するの?』
というご質問をお受けすることがあります。
でも、予防薬を飲ませていても、感染してしまうこともあるのです。
その理由は、
1・もう蚊がいないからと、投薬期間の終わりまでお薬を飲ませなかった。
2・薬を与えるのをうっかり忘れた月がある。
3・ワンちゃんが薬を飲んだと思っていたが、実はこっそり吐き出していたのに気づかなかった。
などの場合があります。
また、感染しているのに予防薬を飲ませた場合、ショックなどを起こすこともあります。
そのため、毎年感染していないことを確認してから、予防薬を最後まできちんと飲ませてあげることが大切なのです。
検査は、血液をとって、抗原検査をするのが一般的で、当院もこの検査を行なっています。
抗原検査とは、血液中のフィラリア成虫から排泄される微量な物質を抗原抗体反応でみる検査です。
そのため、どうしても採血が必要となります。
フィラリアは死に至る怖い病気ですが、完全に予防できる病気でもあります。
ワンちゃんのために、毎年検査をしてから予防をして、フィラリアからワンちゃんを守ってあげてください。
インターネットかお電話でご予約の上、検査をしてフィラリア予防を始めましょう。
また、今年生まれのワンちゃんは、去年までに感染している可能性がありませんので、
検査は不要で、予防薬の投与だけになります。
現在、予防薬にはさまざまな種類があります。
当院で扱っているものは、
1・錠剤
2・おやつタイプのもの
3・皮膚に垂らしてつけるもの
4・注射薬(年に一度)
です。
体重や性格によって、与えやすさや値段も変わってくるので、ご相談ください。
フィラリア予防薬は、フィラリアが犬の体内に入るのを防ぐ薬ではなく、
蚊に刺された時に体内に侵入してしまったフィラリアの子虫を駆除するお薬です。
そのため、月に一度のお薬は、感染時期開始の1ヶ月後から感染時期終了の1ヶ月後まで
飲ませる必要があります。
当院では5月から12月までの投与を推奨しています。
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